不動産広告でよくみる『利回り』って?
『利回り5%』あなたは買う?買わない?
不動産投資の相談を受けている中でよく聞かれること。
それは
「不動産は利回り何%以上なら買っても良いですか?」
という質問。
もし『利回り5%』の投資用不動産があったならあなたは買いますか?
実はこれ、正直答えはないのです。(笑)
利回り5%で買って良い物件もあれば、利回り15%でも買ってはいけない物件もあります。
なぜなら不動産の期待利回りってエリアとか築年数とかによっても全然違うんですよね。
例えば、都心の一等地の新築ビルだったら、利回り5%でも高利回りだと思います。
しかし、地方で過疎地の築古アパートの場合、利回り15%でも、「利回り低いね」という
評価になったりします。
資産性が高い物件の利回りは低く、資産性が低い物件の利回りは高くなりやすいのです。
ですので、投資用不動産を探す時は、資産性と利回りをセットで見ていく必要があるのです。
不動産を買う際は少なくともご自身が物件を探しているエリアで、利回りの相場観を掴めて
からにした方が賢明だと思います。
ちなみに利回りには多くの場合、物件情報には「表面利回り」が掲載されていることを把握して
おきましょう。これは、単純に年間家賃収入を物件購入価格で割ったものです。しかし実際に
不動産投資を行なう際には、不動産仲介手数料や固定資産税、修繕費などの経費がかかります。
こういった初期コストやランニングコストを考慮して算出したものが「実質利回り」となります。
投資による収益予想の精度を高めるためには、こちらを重視すべきでしょう。
両者の違いをきちんと理解するためには、具体的な計算式を見てみると分かりやすいかと思います。
例えば、3,000万円で購入した物件に対して年間の家賃収入見込みが300万円の場合の
表面利回りと実質利回りについて考えます。
(1)表面利回り
表面利回りの計算方法は以下の通りです。
年間の家賃収入 ÷ 物件の購入価格×100=表面利回り
こちらに先ほどの数字を当てはめると、次のようになります。
300万円÷3,000万円×10=10%
計算式から、この不動産物件の表面利回りは10%だということが導き出されました。
(2)実質利回り
実質利回りの計算方法は以下の通りです。実質利回りの場合は、購入時の諸経費や年間の
諸経費を計算式に加えます。
(年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り
ここでは、購入時の諸経費120万円、年間の諸経費が100万円だった場合で考えます。
(300万円-100万円)÷(3,000万円+120万円)×100=6.4%
この不動産物件の実質利回りは約6.4%で、先ほど算出した表面利回りとの違いが大きいことが
分かります。実質利回りの計算で収益を期待していたとすると、予想と違う結果となってしまいます。
収益物件を比較検討するときには、実質利回りに重点を置くべきなのです。
※不動産投資に関連する利回りとして「想定利回り」もあります。物件が満室であることを想定した
家賃収入をもとにして計算します。(満室時の年間の家賃収入÷物件の購入価格×100=想定利回り)